何とか今日も乗り切れて、ほっとしています。
そんなに大きな出来事は無いんだけど、その日その日を乗り越えるだけでふうふう言っています。
でも今日は仕事の後にカズオ・イシグロの「日の名残り」を読んで、何十年も前のイギリスの屋敷の執事の世界に入りこんで、少し現実を離れることが出来て、少し自分の現実を離れられてリラックス出来ました。
人生の夕暮れ時に差しかかった、一人のイギリスの執事の人生に耳を傾けて、品格や誇りを持って仕事に励むこと、執事としての人生と個人の幸福、人生の夕暮れ時に差しかかった人が何を思うのかなど、たくさんの事を読みながら考えました。自分もだんだん夕暮れ時にさしかかってきたんだなと実感する部分もありました。
身体を動かすのとはまた違った感覚で、読書は疲れが癒されるなと感じました。
エピローグ部分で、「人生、楽しまなくっちゃ。夕方が1日でいちばんいい時間なんだ。脚を伸ばして、のんびりするのさ。夕方がいちばんいい。わしはそう思う。みんなにも尋ねてごらんよ。夕方がいちばんいい時間だって言うよ」と執事が村人に言われて、主人公がこの物語の後に良い夕暮れの時間を過ごせるといいなと思いました。
時間と空間が遠く離れた本の世界に行って戻ってくると、自分の問題も少し気楽に見れる気がします。
必ずしも思い通りになるとは限らない人生でも、誇りを持って大事だと思うことに打ち込んだ人の人生を辿れて、良い時間でした。
大変だったけど、良い1日だった。
良い本を読めて楽しかったです。
- 作者: カズオイシグロ,Kazuo Ishiguro,土屋政雄
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2001/05/01
- メディア: 文庫
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